タップの使い方
タップとはネジ山を立てる為の工具で、タップハンドルに噛ませて使用する。
画像を見てもらうとわかるが、タップは3方向にネジ山が立っている。
これは、溝の部分でネジ山を切る際の切粉を落とす役目をする為にこのような形状になっている。
タップを使うには当然、下穴がなければネジは立たない。
下の表はタップを立てる径に対し、下穴の径及びピッチを表している。
下穴径基準寸法の計算方式は、(立てたいネジ寸法−ネジのピッチ=下穴径)で求められる。
例で言うと、5mm(ネジ寸法)−0.8mm(M5のピッチ)=4.2mmが基準下穴寸法になる。
タップ径 |
ネジピッチ |
下穴径 |
M3 |
0.5mm |
2.5mm |
M4 |
0.7mm |
3.3mm |
M5 |
0.8mm |
4.2mm |
M6 |
1.0mm |
5.0mm |
M8 |
1.25mm |
6.75mm |
M10 |
1.5mm |
8.5mm |
M12 |
1.75mm |
10.25mm |
基準下穴寸法をドリルで穴をあけていくのだが、M8などの6.75mmというドリル刃はないので
タップ径 |
下穴用ドリル刃寸法 |
M3 |
2.6mm |
M4 |
3.4mm |
M5 |
4.2mm〜4.4mm |
M6 |
5.0mm〜5.2mm |
M8 |
6.8mm〜7.0mm |
M10 |
8.6mm〜9.0mm |
M12 |
10.4mm〜11.2mm |
上記のドリル刃寸法までは使用できる。
ただしネジ山の高さが減ってしまうので、余りにも下穴用ドリル刃寸法を大きくしてはいけない。
下穴が開いたらタップをタップハンドルに噛ませて、下穴に垂直になるように立てる。(縦横、間違いなく垂直か確かめる)
タップには、1番・2番・3番と同じ寸法でも3種類先端が違う物がある。
1番・・・ 貫通型タップと呼ばれ、先端のネジ山部分が丸くなっていてスムーズに立てていく事ができる。欠点はネジが立つ部分が全長の2/3しかない。
2番・・・ 1番の貫通型と3番の止め型の中間のタップで、一番扱いやすい。
3番・・・ 止めタップと呼ばれ、ネジ穴が貫通していなく途中で止める時に使う。先端からネジが切れていくので垂直に立っていないと即折れる。
タップは、半周〜2/3周回したら、半周戻すという事を繰り返しながら切っていく。
半周戻す時に、タップ溝から切粉を落としていく為で必ず行わないといけない。
そのまま切り進めていくとタップが素材に噛み込みをおこし、最悪折れてしまう。
タップが折れたら最悪で、抜くのも大変だがもう一度立て直すのも難しくなる。
タップを立てる物が旋盤のチャックに噛ませられるのなら、センターバイスにタップを入れて切れば芯は狂わない。
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